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箱根外輪山

 芦ノ湖のほとりからロープウェイで駒ケ岳の山頂まで上がると、相模湾と駿河湾を同時に眺めることができる。眼下には芦ノ湖が、窪地にできた水たまりのように見える。

 

 小学生のとき遠足で金時山に登ったことがあった。何に一番驚いたかといえば、山頂の土産物屋で水を売っていたことだ。コップ一杯十円だった。

「水が売れるんだ」

 と感心したが、なぜ山の上では水の値段が高いのかという疑問は抱かなかった。

お金に関しては、いまも昔も鈍いのだ。


 ペットボトル入りの水を買うのが当たり前の時代になったけれど、水筒を持っていればわざわざ水を買う必要はない。などと考えてしまう人間は、やはりお金儲けに疎いのだろう。

 

 海さえ見られれば、金なんていらないとうそぶいてみる。



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